第1回「先端技術講座」人・テクノロジー・未来 「人:工業高校での学びを先端分野につなげるために」JAXA上席研究員小原新吾氏
講師は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から、上席研究員の小原新吾氏をお招きして、テーマ「人:工業高校での学びを先端分野につなげるために」を全校生徒で聴講しました。
小原講師は、昭和58年に本校機械科を卒業し、長岡科学技術大学に進学。同大学大学院修士課程終了後東京大学大学院で博士課程を終了しています。卒業後は、トライポロジー研究の第一人者として評価され、JAXAの前身である宇宙開発機構に研究員として勤務して現在に至っています。
小原講師からは、高校時代、大学時代、JAXAでの仕事とご自身の経験について紹介があり、工業高校での学びを先端分野につなげるための学び方や工業技術に携わる在り方を私達にお話ししていただきました。
高校当時は、硬式野球部のキャッチャーとして夏の選手権ベスト8に進出しています。小原講師は、当時黒校に入学したくて黒工を目指し、野球をやりながら勉強に励んだと話していました。帰宅後、仮眠を取ってから深夜に勉強をするハードな高校時代。長岡科学技術大学では、勉強に遅れまいとして懸命に勉強をし野球もはじめました。高校時代のリズムが体調を崩さない秘訣として野球を継続して勉学に励み、卒業時は学生代表として卒業証書を受理したことを話をしてくれました。そして、高校時代の生活が一生の宝になることも話してくれました。
東京大学大学院では、論文を読みまくりトライポロジーに係る博士課程を取得しました。現在、JAXAでは上席研究員を務め、ロケットの発射、中止の判断や企業とJAXAの取り継ぎをしているそうです。その心得として、常に提案する姿勢、感謝の気持、努力のプロセスを認め他人をフォローできることと話し、それはご自身が尊敬するJAXAの先輩から学んだ経験であることを話してくれました。
企業は先端分野を目指している。
先端分野とは社会に新しい価値とインパクトを与える分野、全く新しい原理、理論による実現、既存の技術の応用、融合による実現を意味する。
工業高校の強みは、縦軸を変えると、ものづくりと専門教科を高校で学べる事にある。学びの財産に、さらに個性を足してオンリーワンになれ。
先端技術時代に必要なこと
自ら学び、行動し、新しいことを提案していく姿勢
学生時代の財産に個性を足して、オンリーワンを目指す姿勢
こんな事をなぜ君たちに伝えたいか
希望する道を歩んでほしいから
未来が必要としているから
君たちの努力を見ている人は必ずいる。
そして、次のステージにつなげてくれる。
最後に、人生一度だけの高校生活、良い思い出となる様に過ごしてほしい。
お互いを尊敬すること。
いつでも良い話し相手となる。
と第2回の講座に繋ぎました。
第2回11月 9日(水)
テクノロジー:極限環境への挑戦を支える科学技術
〜 いま 黒工がおもしろい 〜